指針とは漢方医学においての診断をさします。診断の方法として「望診」「聞診」「問診」「切診」の４つがあります。ここでは、４番目の「切診」について説明したいと思います。ここでは、一番最後に書いてあります「切診」について詳しく説明をしたいと思います。

「切診」は、体にさわって病気の性質・程度を推しはかることです。腫れている場所を触って熱があるかどうかを診るのも切診に入りますが、切診の代表は脈診と腹診、背診です。

　胸から腹部全体にかけて触診を行い、湿乾、寒熱、抵抗、陥下、膨隆、圧痛、硬結、動悸の有無などを診ることをいいます。

　背部の愈穴を中心に現れる陥下、膨隆、圧痛、寒熱などを診ることをいいます。

「触診」　

　経絡（エネルギーの流れる道筋）を触診して、その寒熱・湿燥・陥下・膨隆・硬結・圧痛の状態を診ることをいいます。

　
「脈診」
左右の手首六ヶ所の脈を診て病症を判断する方法です。臓腑経絡の気血津液の虚実寒熱を判断します。

脈の種類

種類	脈の状態と考えられる症状
浮脈	状態	軽く触れるとよく触れ、強く圧迫すると触れにくくなる
	症状	この脈は病気が内部に進行しようとしている時に見られます。
沈脈	状態	軽く圧迫して脈に触れにくく強く圧迫して脈がよく触れる
	症状	厥証，痛極，邪閉，陽衰
遅脈	状態	脈拍数が１分間に６０回以下のもの。
	症状	虚寒証で見られる。
数脈	状態	脈拍数が１分間に９０回以上のもの。
	症状	熱証で見られる。
滑脈	状態	玉が指の下をころがる感じの脈
	症状	邪気内盛（痰飲，食滞，実熱），生理妊娠寒証，痛証，宿食
濡脈	状態	脈の往来が滑らかでないもの
	症状	虚証（気虚）叉は湿証
洪脈	状態	脈が来るときは大きく盛ん脈が去る時は衰える感じの脈
	症状	熱証（熱邪亢盛）
緊脈	状態	有力で絞った網のような脈
	症状	肝胆病，諸痛，痰飲
緩脈	状態	一息の間に脈拍が４のもの
	症状	湿証，脾虚
弦脈	状態	脈診でぴんと張った弦をおさえたときのように触れる脈。
	症状	半表半裏（少陽）証で見られる。
弱脈	状態	指下でかすかに触れる脈
	症状	気血不足
細脈	状態	細くやわらかにまっすぐ触れる脈
	症状	気血不足，気血抑脈，諸虚労損，陰虚を主とし湿も関係する。

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