全身性エリテマトーデス（ＳＬＥ）とは、顔面の蝶型紅斑、手指の紅斑、光線過敏症、レイノー現象、口腔、鼻咽頭潰瘍などを特徴とする疾患です。発熱、全身倦怠、体重減少、関節痛などを初期症状として発症します。１０歳～４０歳の女性に多く発症し、１０万人対２～３人の割合で発症します。原因については未だ不明な点が多く、免疫異常、遺伝的異常が関与しているものと考えられています。

全身性エリテマトーデスの漢方医学的治療

ＳＬＥの炎症を抑える目的として、柴胡剤がよく用いられます。おもに、大柴胡湯、小柴胡湯や柴苓湯などが用いられます。体力があり、のぼせや精神的な興奮などが見られるときは温清飲が用いられます。体力がない時は柴胡桂枝乾姜湯が用いられます。

全身性エリテマトーデスの具体的な漢方処方

実証（体力がある時）	うんせいいん温清飲	のぼせ、精神的興奮、皮膚の熱感がある時に用いる。
実証（体力がある時）	だいさいことうごうけいしぶくりょうがん大柴胡湯合桂枝茯苓丸 (大柴胡湯、桂枝茯苓丸）	胸からわきにかけて重苦しくはっていて於血がある時に用います。
中間証	しょうさいことう小柴胡湯	発熱や炎症が強く出ている時。
	よくいにんとう薏苡仁湯	関節痛などに症状がある時
	しょうさいことうごうごれいさん小柴胡湯合五苓散	浮腫などの腎臓症状を合併している時
虚証（体力がない時）	さいこけいしかんきょうとう柴胡桂枝乾姜湯	胸からわきにかけて重苦しくはっているとき

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