人は日中活動し、夜は眠るようにサーカディアンリズムが作られています。しかし、現在は仕事や時間に追われ夜しっかりと眠ることができないため、昼間の疲れをため込む傾向にあります。昼間の疲れが取れずにたまっていくことでサーカディアンリズムはさらに乱れ、その乱れはホルモンバランスや精神バランスなどにも影響を及ぼすようになります。そのことにより、睡眠の乱れも発生し、睡眠不足に陥り疲労がたまるといった悪循環に陥ってしまいます。睡眠時間に関して、何時間寝るのが理想的と言われていますが、これは個人差が大きく明確に決めることはできません。

不眠症のタイプ

入眠障害	布団に入ってから寝入るまでに３０分以上かかるもの。
熟眠障害	眠りが浅く夜中に何度も目が覚めしまうもの
早朝覚醒	ふだんより２時間以上早く目が覚めて、再び眠ることができないもの

不眠症の原因による分類

心因性不眠症	精神的ショック、ストレスなどが原因で起こる。基本的に神経質な性格の場合がある。
精神病性不眠症	統合失調症、そううつ病などの精神疾患によって起こるもの。このタイプの不眠症対策は、疾患の治療が優先となる。
身体性不眠症	発熱や痛みなどによるもの
環境性不眠症	枕などが変わると眠れないなど。
薬物性不眠症	コーヒーなどによるカフェインの多飲。そのほかぜんそく治療薬によるものなど。

不眠症の具体的な漢方処方

実証（体力がある時）	おうれんげどくとう黄連解毒湯	精神が興奮したり、のぼせたりして不眠に陥る場合に用いる。
実証（体力がある時）	さいこりゅうこつぼれいとう柴胡加竜骨牡蛎湯	動悸、イライラ、不安感があり、胸部からわきにかけての苦しくはる感じがある時に用いる。
中間証（体力が普通）	よくかんさん抑肝散	神経が均等して、イライラしたり怒りっぽいときに用いる。
虚証（体力がない時）	さんそうにんとう酸棗仁湯	神経過敏で、身体に疲労がたまっている時に用いる。
虚証（体力がない時）	かみしょうようさん加味逍遙散	肩こり、冷えのぼせがあり、更年期などにおこる不眠症に効果がある。

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