ヘルニアなどによる２次性便秘と原因不明の特発性の便秘があります。その特発性便秘にも種類があり、直腸性、けいれん性、弛緩性、があります。

便秘の種類

直腸性便秘

直腸性便秘とは便意があるにもかかわらず、何らかの原因で我慢をしてしまい、直腸の反射が低下することにより起こるものをいいます。

けいれん性便秘

けいれん性便秘とは何らかの原因によりＳ状結腸の持続的緊張が起きた状態をいいます。何らかのストレスにより起こることが多いことから、ストレス性の便秘ともいいます。

弛緩性便秘

弛緩性便秘とは、蠕動運動（食べた物や便を前に送る働き）が低下し、水分が過剰に吸収された状態をいいます。

便秘の治療

漢方医学において、大便は川を流れる船にたとえられます。船がスムーズに流れるためには水が大切です。その水を補うために麻子仁のような趣旨の漢方が用いられます。また、一気に船を流すために、ダイオウの様な強力な便秘薬も用いられます。　便秘に用いられる漢方には、しばしば大黄が用いられます。大黄を含む漢方薬を虚証タイプに用いると、腹痛を生じることがあります。虚証タイプには麻子仁の種子が最適です。

便秘に効く漢方処方

実証（体力がある時）	だいさいことう大柴胡湯	便秘や季肋部に苦満感がある時
実証（体力がある時）	ぼうふうつうしょうさん防風通聖散	肥満体で便秘がある人
中間証（体力が普通）	だいおうかんぞうとう大黄甘草湯	常習性便秘に用いられる
虚証（体力がない時）	ほちゅうえっきとう補中益気湯	体質虚弱、体力低下、食欲不振に用いられます。
	しょうけんちゅうとう小建中湯	虚弱な小児に用いられることが多い。
	けいしかしゃくやくだいおうとう桂枝加芍薬大黄湯	体質虚弱で冷え、腹痛、軽度の便秘に用いる。

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