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漢方大辞典/C型慢性肝炎


症状から選ぶ漢方処方/C型慢性肝炎

日本には約200万人の慢性肝炎患者がいるといわれ、毎年、肝炎により3万人の方が肝がんによって死亡しています。肝がんの9割はウイルスが原因とされ、7割がC型肝炎によるものと言われています。治療は慢性肝炎をがん化させないことが重要となります。

C型肝炎の治療

C型慢性肝炎の治療には、インターフェロン、強力ミノファーゲンC、ウルソデオキシコール酸、漢方薬を用います。 

インターフェロン

インターフェロンは抗ウイルス活性をもつ、白血球などから作られる薬剤です。有効率は30%で、適応性があればインターフェロンを用いることが得策です。インターフェロンの副作用としては、発熱、全身倦怠感、うつ病、けいれん、知覚障害などがあります。現在ではリバピリンとの併用療法が確立され、インターフェロン単独療法より3倍の効果があるとされています。

強力ミノファーゲンC

グリチルリチンが配合された注射製剤で、肝庇護作用があります。GOT、GPTを改善する効果があります。

ウルソデオキシコール酸

肝臓からの胆汁酸分泌を促す製剤です。慢性肝炎に有効であり、GOT、GPTに効果を示します。

C型肝炎治療に使用する漢方薬

 一般的に、人参栄養湯、十全大補湯、小柴胡湯、補中益気湯、四逆散などが用いられます。人参栄養湯が最も用いられる頻度が高く効果も優れています。 また、C型肝炎で受診を受けている人のほとんどが虚証状態であることがほとんどですので、基本的に補剤である人参栄養湯や十全大補湯が用いられます。さらに虚証状態が強い時は四君子湯が用いられます。

中間証
(体力が普通)
にんじんようえいとう
人参養栄湯
第一選択薬
じゅうぜんだいほとう
十全大補湯
全身倦怠と気血両虚が目的
虚証
(体力がない時)
しくんしとう
四君子湯
全身倦怠、胃腸虚弱のとき
りっくんしとう
六君子湯
胃のもたれ、食欲不振のとき


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