かぜ症候群

風邪の原因の８０～９０％はウイルスによるものと言われています。残りが細菌やマイコプラズマ、クラジミアです。主な症状は悪寒、発熱、咽頭痛、せき、鼻水などです。

かぜ症候群の漢方医学的治療

かぜの初期には漢方薬が良く効きます。１服か２服の薬で完治させることができます。かぜの漢方療法で大切なことは、自然に汗をかいているか否か、亜急性（２～３日）、遷延期（長引いている）かを見極めることが大切となります。　そして、漢方医学においては、体力があり胃腸が丈夫な状態を実証、体力がなく胃腸が弱い状態を虚証、どちらでもない場合を中証といいます。

かぜ症候群の漢方を用いるときの注意点

葛根湯は基本的に発汗剤で、汗を出させて病気を治す薬です。汗が出ていない状態で服用し体を温めるような食事をとり、暖かくして眠ると発汗もしくは多量の尿がでて、すっきりと治癒します。発汗したら、体が冷えないうちに着替え、服用をやめます。　汗が出ている時は桂枝湯を服用します。このときに葛根湯や麻黄湯を服用すると、発汗過剰となり下痢、筋肉のけいれんなどの陰証に陥ることがあります。この場合は、すぐに真武湯（しんぶとう）や附子理中湯（ぶしりちゅうとう）などの附子のはいった薬を服用します。それでも悪化する場合は、茯苓四逆湯（ぶくりょうしぎゃくとう）を用います。　その後、倦怠感などが残る時は、補中益気湯（ほちゅうえっきとう）、六君子湯（りっくんしとう）をもちいます。

かぜ症候群の具体的な漢方処方

かぜ症候群（急性期）と漢方

実証（体力がある時）	かっこんとう葛根湯	汗が出ず悪寒、発熱、肩こりの時に用います。
	しょうせいりゅうとう小青竜湯	咳、鼻水、薄い喀痰がある時に用います。
	まおうとう麻黄湯	汗が出ず、全身の筋肉痛、悪寒などがあるときに用います。
虚証（体力がない時）	まおうぶしさいしんとう麻黄附子細辛湯	悪寒、冷え、微熱などがある高齢者に用います。
	けいしとう桂枝湯	自然にじとじとと発汗をしているときにもちいます。
	こうそさん香蘇散	胃腸がよわく、だるさ、気分が不快の時にもちいます。

かぜ症候群（亜急性期２～３日）と漢方

実証（体力がある時）	さいこけいしとう柴胡桂枝湯	悪寒、嘔吐、熱の上下がある時
実証（体力がある時）	しょうさいことう小柴胡湯	口が苦い、熱の上下、みぞおちの苦満感
虚証（体力がない時）	しんぶとう真武湯	下痢、めまい
虚証（体力がない時）	さいこけいしかんきょうとう柴胡桂枝乾姜湯	口渇感、悪感、顔面や頭部の発汗

かぜ症候群（遷延期）と漢方

実証（体力がある時）	ちくじょうんたんとう竹茹温胆湯	風邪が長引き、咳により夜眠れないとき
虚証（体力がない時）	じんそいん参蘇飲	胃が弱い人向けで、やや長引いたとき

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